
概要
強制退去命令を受けたら、最初に確認することが2つあります。1つは強制退去命令書を受け取った日、もう1つは、その日から7日以内に地方出入国・外国人官署の長を経て法務部長官に異議申請書を提出しなければならないという、出入国管理法第60条第1項の文言です。命令書を発付する際、官署の長は法務部長官に異議申請ができることを知らせなければならないと、第59条第4項に書かれています。
この記事は、「出入国管理法」の現行条文で直接確認できた内容だけを使い、調査(第47条)→ 保護(第51条)→ 審査決定(第58条)→ 命令書の発付(第59条)→ 異議申請(第60条)→ 執行(第62条)・保護(第63条)の流れを条文の順に説明します。結果の予測や救済の約束をする記事ではなく、訴訟など法的な争いの代理は行政書士の業務範囲外です。個別の事案は、管轄の出入国・外国人官署に確認してください。
一目でわかる要点
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 記事の範囲 | 強制退去命令後の法定手続の順序(結果の予測・救済の約束ではありません) |
| 異議申請の期限 | 強制退去命令書を受け取った日から7日以内に、地方出入国・外国人官署の長を経て法務部長官に異議申請書を提出(第60条第1項) |
| 審査決定・命令書 | 調査が終わると遅滞なく第46条第1項各号への該当を審査・決定(第58条)。該当と認められれば命令と命令書の発付(第59条) |
| 保護 | 疑う相当な理由と逃亡のおそれがあれば保護命令書で保護。緊急保護の後は48時間以内に保護命令書(第51条) |
| 執行 | 出入国管理公務員が命令書を示して遅滞なく送還(第62条)。直ちに送還できなければ2か月の範囲で保護(第63条) |
| 確認先 | 個別の事案は管轄の出入国・外国人官署に確認 |
活動範囲
- 出入国管理法第6章(強制退去等)のうち、調査・保護・審査決定・命令書の発付・異議申請・執行・執行前の保護に関する条文(第47条、第51条、第55条、第58〜60条、第62〜63条)の順に見た手続の流れ
- 法務部「外国人滞在案内マニュアル」(2026年9月版)で強制退去命令に関して確認できる文言(D-10-Tの欠格事由、在留資格変更許可の制限事由、永住の品行要件など)
- 対象外:救済の可能性の判断、処理期間、訴訟の代理、第46条第1項各号への該当判断、入国禁止の期間
該当者
- 強制退去命令書を受け取った、または受け取りそうで、その後の手続と異議申請の期限を知りたい外国人
- 家族や知人が保護または強制退去の手続の中にあり、手続の順序を知りたい人
- 許可条件違反の疑いなどで出入国官署の調査を受けており、審査決定後の流れを前もって知りたい人
- 強制退去の履歴が在留許可の審査でどう言及されるか、マニュアルの文言を確認したい人
提出書類
- 強制退去命令書を受け取った日 — 第60条第1項の7日は、命令書を受け取った日から数えます。受領日を確認し、命令書の写しを保管してください。期間計算の細部は官署に確認
- 保護の有無と保護の書類 — 保護中なら保護命令書(緊急保護書を受けた場合は、48時間以内に保護命令書が発付されたか、第51条)。保護そのものに異議がある場合の第55条・外国人保護委員会への審査請求は別の手続
- 命令の根拠となった第46条第1項の号 — 命令書と審査決定書に書かれた理由が第46条第1項のどの号か確認。異議申請があると、官署の長が審査決定書と調査記録を添えて法務部長官に提出(第60条第2項)
- 異議申請書の提出経路 — 法務部長官に直接ではなく、地方出入国・外国人官署の長を経て提出(第60条第1項)。受付方法と書式は官署に確認
- 難民申請の有無 — 難民認定の申請後で決定前、または難民法第21条の異議申請の審査中は送還しないという第62条第4項の規定(公共の安全に関する例外あり)があるため、進行状況を整理
- 旅券・外国人登録の状態・滞在の経緯の資料 — 旅券を所持していない、または交通手段が確保できない場合は、第63条第1項の保護の理由となりうる。手元の書類を整理
- 相談の準備 — 上記の書類と受け取った通知をすべて持って、管轄の出入国・外国人官署に確認。訴訟など法的な争いの代理は行政書士の業務範囲外
申請手続き
- 資格要件の確認 — 現在の在留資格・経歴・学位・契約形態が要件に合うか点検します。
- 書類準備 — 海外の公的書類は翻訳者確認書とアポスティーユ(未締結国は領事確認)を用意します。
- 訪問予約 — HiKorea(www.hikorea.go.kr)で管轄庁の訪問を予約します(電子民願が可能な手続きはオンライン申請)。
- 受付・手数料納付 — 統合申請書(別紙第34号様式)とともに受付し、審査手数料を納付します。
- 審査 — 補完要求があれば期限内に提出します。
- 結果確認 — 許可されると在留期間・資格が付与され、必要に応じて外国人登録証を再発給します。
留意事項
- 手続の順序は条文でこうなっています。出入国管理公務員は、第46条第1項各号に当たると疑われる外国人(容疑者)を調査でき(第47条)、調査が終わると官署の長が遅滞なく該当の有無を審査・決定します(第58条)。該当しないと認めれば、その旨を知らせ、保護中なら直ちに保護を解除します。該当すると認められれば強制退去命令をすることができ、その際に命令書を発付します(第59条第1〜3項)。この記事は各号への該当の有無を判断しません。
- 異議申請(第60条)は、命令書を受け取った日から7日以内に官署の長を経て提出し、法務部長官が異議申請に理由があるかを審査・決定します。理由があるとの決定の通知を受けると、官署の長は遅滞なく本人に知らせ、保護中なら直ちに保護を解除します。理由がないとの決定なら、その旨を知らせます。異議申請が執行にどう影響するか、どのような理由が認められるかはここでは条文に定められておらず、この記事では扱わず、結果も予測しません。
- 保護と異議申請は別の手続です。保護(第51条)は、疑う相当な理由と逃亡のおそれがあるときに保護命令書で行われ、保護に異議がある場合は第55条により外国人保護委員会に審査を請求できます。一方、強制退去命令に対する不服は第60条の異議申請です。命令を受けても直ちに送還できない場合、第63条により、送還できるまで2か月の範囲で保護でき、延長しても総保護期間は原則として9か月を超えられません(ただし書きによる例外規定あり)。
- マニュアルで確認できる文言は一部です。「外国人滞在案内マニュアル」(2026年9月版)には、第59条第2項による強制退去命令を受けて出国した日から7年が経過していない人が、D-10-T(最優秀人材)の欠格事由、在留資格変更許可の制限事由、永住資格の品行要件に挙げられており、留学生のアルバイト(時間制就業)許可違反者の処理基準には、許可なく就業した場合、2回目の摘発で強制退去と書かれています。すべての在留資格に同じ基準が適用されるという意味ではありません。入国禁止の期間など、この記事で条文を確認できなかった内容は書いていませんので、官署に確認してください。
- 行政書士の業務の範囲と相談の境界にご注意ください。強制退去命令に関する訴訟など法的な争いの代理は行政書士の業務範囲外であり、異議申請書の作成・提出の具体的な方法は事案ごとに異なるため、この記事では案内しません。判断の前に管轄の出入国・外国人官署に確認してください。
- 韓国内で発給・提出する書類は、別途の有効期間がなければ発給日から3か月以内のものが必要です。
- すでに提出して登録外国人記録に保管されている書類は提出を省略できます。
- 健康診断書・麻薬検査確認書・採用身体検査書などは、発給医療機関が密封した状態のまま提出します(開封不可)。
- 各種在留許可の申請時は韓国国内に滞在中である必要があり、申請後に出国すると不許可となる場合があります。
- 審査手数料は民願が受理されると返還されません。
- 出入国・外国人庁(事務所・出張所)長は審査上必要な場合、提出書類を加減できます。
よくある質問
Q. 強制退去命令を受けたらどうすればよいですか。
A. まず強制退去命令書を受け取った日を確認してください。出入国管理法第60条第1項は、異議申請をするには、命令書を受け取った日から7日以内に、地方出入国・外国人官署の長を経て法務部長官に異議申請書を提出しなければならないと定めています。異議申請をするか、どのようにするかは事案ごとに異なるため、管轄の出入国・外国人官署に確認してください。結果はこの記事では予測できません。
Q. 強制退去の異議申請はどこにどう出しますか。
A. 第60条第1項により、法務部長官あての異議申請書を、地方出入国・外国人官署の長を経て提出します。官署の長は受け付けると、審査決定書と調査記録を添えて法務部長官に提出し(第2項)、法務部長官が異議申請に理由があるかを審査・決定して官署の長に知らせます(第3項)。書式と受付方法は官署に確認してください。
Q. 保護と強制退去命令は同じですか。
A. 別の手続です。保護(第51条)は、第46条第1項各号に当たると疑う相当な理由と逃亡のおそれがあるときに保護命令書で行うもので、緊急の場合は緊急保護の後48時間以内に保護命令書を発付される必要があり、発付されなければ直ちに保護を解除しなければなりません。保護に異議がある場合は、第55条の外国人保護委員会への審査請求が別にあります。
Q. 難民申請中なら、すぐに送還されますか。
A. 第62条第4項には、難民認定の申請をしたが決定されていない場合や、難民法第21条の異議申請の審査が終わっていない場合は、送還してはならないとあります。ただし、難民申請者が大韓民国の公共の安全を害した、または害するおそれがあると認められる場合は別という、ただし書きがあります。ご自身にどう当てはまるかは、官署と弁護士に確認してください。
Q. すぐに出国させられない場合、保護が続きますか。
A. 第63条第1項は、旅券を所持していない、交通手段が確保できないなどの理由で直ちに送還できない場合、2か月の範囲で、送還できるまで保護施設に保護できると定めています。送還できなければ外国人保護委員会の承認を得て延長でき、延長期間を含む総保護期間は9か月を超えられないとされていますが、ただし書きによる例外があります。
Q. 強制退去のあと、再入国や在留許可に制限はありますか。
A. 「外国人滞在案内マニュアル」(2026年9月版)には、第59条第2項による強制退去命令を受けて出国した日から7年が経過していない人が、D-10-T(最優秀人材)の欠格事由、在留資格変更許可の制限事由、永住資格の品行要件に挙げられています。すべての在留資格に同じ基準が適用されるという意味ではありません。入国そのものの制限期間は、この記事では条文を確認できなかったため扱っていません。管轄の出入国・外国人官署に確認してください。



